USCPAは転職に役立ったか

ビジネス・経済

これからUSCPAの勉強を始めようとしている方、今まさに勉強中の方にとっては、USCPA合格後にどのような未来が待っているかは非常に気になる点かと思います。

一般論は転職エージェントやその他経験者の情報を参考にしてもらうとして、ここでは私の事例として超個人的な経験談をお伝えできればと思います。一つの事例として、「ふーん、こんなのもあるのか」程度の感覚で参考にしていただければと思います。

USCPA合格から現在に至るまでの経緯

比較対象としていただくために、私がUSCPAに合格してから現在に至るまでの経緯を少しお話します。

まず新卒で日系のメーカーに数年勤め、その後転職し海外で数年働き(この間にUSCPA合格)、また転職して現在はBIG4の税理士法人に勤務しています。

これまで会計の実務経験はなく、英語力も可もなく不可もなくといったレベルで、USCPA全科目合格には1年強かかりました。期間的には割と早い方かと思いますが、勉強時間は2,500〜3,000時間を要しました… 予備校が謳っている「1,000時間で合格!」はちょっとあり得ない数字だと個人的に思っています。

個人的にはあまり役立っていない

早速結論ですが、私の場合はUSCPAはあまり役に立っていません。USCPAを活用することもできたのですが、USCPAが全く必要ない職種を選択したため、特にUSCPAの効果を発揮する機会がありません。

そのため、USCPAが役立つか役立たないかというよりは、私自身が役立てられていないという表現が正しいです。

強いて効果を挙げるとすれば、英語の法令解釈をする際に多少スムーズになることくらいでしょうか。USCPA学習中には会計・税務に関連した法令の英語フレーズにふれる機会がありました。たとえばArm’s lengthといった表現は日常でほぼ目にしませんが(英語自体得意ではないので言い切れませんがたぶん)、USCPAでは頻出の表現で、実務においてはそれ以上に超頻出の表現です。

会計・税務独特の英語表現を試験勉強を通じて多く身に付けたことで、実務で出くわした際に比較的抵抗なく読みこなせている気がします。

どんな仕事なら役立つか

ではどのような職種であればUSCPAを活かすことができるのでしょうか。

決してその他職種の事情に詳しくないのですが、少なくとも監査法人では直接的に会計知識を活かせるものと思います。特に海外事業体の監査に携わる場合などには多少なりとも役立つようです。ただし監査法人といえば超難関資格のJCPAが大半を占めるわけで、会計知識に相当な差があることは事実です。入所後によほど努力して会計知識を身に付けていかなければ、生き抜いていくのが大変かと思います。

私自身もUSCPAに合格したとは言え十分な会計知識が身に付いたとは全く感じていません。そんな中でJCPAと渡り合っていくのは厳しいと自覚し、早々に監査法人の道を諦めました笑

もう一つUSCPAを活かせる職種を挙げるとすれば、税理士法人の移転価格部門です。税理士法人の中では非常に大きな組織で(BIG4での話)、USCPAを取得した方が多く働いている印象です。

USCPAが直接的に役立つわけではないですが、移転価格の業務上、各事業体の財務諸表を分析し適切に企業の業績を理解する必要があります。その際に英語で財務諸表を読める力が欠かせず、関連法令や判例を読解する力も欠かせません。そこでUSCPAで身につけたスキルが役立つものと思います。

移転価格では詳細な会計知識を求められるわけではなく、英語の財務諸表を適切に分析し全体像と特徴を把握することが求められますので、考え方によってはJCPAよりUSCPAの方が有利になる職種とも言えるのかもしれません(推察ですが…)

ちなみに私は転職活動時に移転価格部門にも申し込みましたが、USCPA合格者であることをどの企業もかなりプラス要素として捉えてくれているようでした。他部門や事業会社にも申し込んだものの、そちらでは全くと言っていいほどプラス評価にならなかったため、それと比較すると移転価格部門ではかなりUSCPA合格が効果的だったと言えます。ただもちろんUSCPAが決定打になるわけではなく、事業会社等でのビジネス経験があった上で、もしUSCPAがあればプラス評価になりやすい、といった位置づけです。

これからUSCPAを目指すべきか

ありきたりな回答ですが、人によります。

よほど会計・英語知識のある方でない限り、USCPA合格には相当な時間を要します。働きながら合格するのはかなり大変で長い道のりです。時間を確保するために多くの犠牲も払わなければなりません。

ただ一つ確実に言えるのは、USCPAは時間とお金をかければ確実に合格できる試験だということです。1科目ずつ受験できますし、決して問題自体の難易度が高くはありません。着実に勉強を続ければ合格に辿りつける(たとえ何度不合格したとしても)試験で、その点JCPAや税理士とは性質が大きく異なります。

時間とお金をつぎ込んででも合格したいという意気込みと目的があるのであれば、十分USCPAをこれから目指す価値があるかと思います。逆にもしとりあえず「それっぽい資格を取得したい」といった動機であれば、合格までそれなりに大変な道のりですし、合格したことで手に職がつく資格でもありませんので、挑戦する価値はないと思います。

コロナ禍で先が見えない中、漠然と資格の取得を検討している方も多いかとは思いますが、強い意気込みと目的が無い限り費用対効果は見込めないと思いますので、あまりオススメしません。

まとめ

というわけで改めてですが、私の場合はUSCPAはほとんど役に立っていません。一方で監査法人や税理士法人の移転価格部門であればプラス評価される可能性がある、というのが私の見解です。

ここまで超個人的な見解を述べて来ましたが、これから勉強を始めようと検討している方、勉強中の方のお役に少しでも立つことができれば幸いです。

異論は認めます。

それではまた!

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