有利子の奨学金は繰り上げ返済すべき?

投資の考え方

日本学生支援機構の調査によると、現在の大学生の約半分が何かしらの奨学金を借りています。そのうち多くが有利子の貸与型奨学金と思われ、大学卒業後に利子を上乗せして返済しなければなりません。

もし有利子の貸与型奨学金を借りた人が手元に100万円の余裕資金を持っている場合、毎月の定期返済とは別に繰り上げ返済をすべきでしょうか。これは真面目に貯金ができる人ほど悩む点かと思います。

当然のことながら個人の価値判断によるものではありますが、合理性の面から私なりの考えを述べていきたいと思います。

奨学金の種類

そもそもの前提として奨学金は大きく「給付型」と「貸与型」に分けられます。さらに貸与型は「無利子」と「有利子」に分けられます。よって整理すると代表的な奨学金は以下の3種類です。

①給付型:返済の必要がない

②貸与型(無利子):返済の必要はあるが無利子

③貸与型(有利子):返済の必要があり利子も発生

学業成績や家庭事情等により、いずれの奨学金を申込・受給できるかは変わってきます。しかしながらそれなりの学業成績や家庭事情が無い限り①と②は難しく、③の貸与型(有利子)の奨学金しか借りれない人が多いと一般的に言われます。

最も利用者の多い日本学生支援機構の第二種奨学金がそれに該当します。

有利子の貸与型奨学金ということはつまり「借金」ですので、可能であれば卒業後に早く返済したいと考えるのが当然です。この場合の繰り上げ返済の合理性について見ていきます。

奨学金は超低金利の「優良な借金」

有利子で「借金」である奨学金ですが、その金利は非常に低く設定されています。日本学生支援機構の第二種奨学金の場合、上限金利は3%とされていますが、これはあくまで上限値であり現在の低金利下においてこの金利が適用されることはまずありません。

なお住宅ローンと同様に、奨学金にも固定金利のタイプと変動金利のタイプがあります。2020年11月の設定金利は、固定金利タイプ(貸与終了月の貸与利率が適用される)が0.163%(年利)、変動金利タイプ(貸与終了後も随時利率見直し)が0.002%となっています。

驚くほど低い金利です。

もし100万円を繰り上げ返済したとすると、固定金利タイプで1,630円/年、変動金利タイプで20円/年の金利を削減することができます。

これだけです。100万円繰り上げ返済しても、これしか金利削減はできません。複利ですので毎年金利が発生するわけですが、それでも返済金額に比べれば微々たる金額の金利です。

有利子と言えど、それほど奨学金は超低金利に設定されており、現在の低金利下ではほぼゼロと言っていいほどの水準です。

ちなみに個人がローンを組む場合に、これほどの超低金利を享受できるローンは他にありません。無担保のカードローンや銀行ローンは当然のこと、担保設定する自動車ローンや住宅ローンと比較しても、奨学金の金利は圧倒的な低さです。

また奨学金は万が一返済が苦しくなった際に、返済を一時停止し繰延することも可能です。

「借金」や「ローン」というとネガティブなイメージを持たれがちですが、奨学金はその中でも超優良で特別扱いされたものと言えます。

資産運用や自己投資に回すのが合理的

では余裕資金の100万円を繰り上げ返済に回さずにどうするのか。

結論としては資産運用か自己投資に回すのが合理的と考えます。

資産運用に回した場合、株式投資信託であれば大まかに4〜6%程度の運用利回りが見込めます。運用による利回りはもちろん毎年変動がありますので、あくまで長期的に見た場合に想定される数値です。それでも奨学金の繰り上げ返済に100万円を使用して金利削減を狙うよりは、そのお金を資産運用に回した方が効率的と言えます。

自己投資の場合、数値で明確にリターンを測ることは中々できません。しかし自己投資は数倍数十倍にもなる可能性を秘めた青天井のリターンの投資です。100万円があれば資格取得の予備校費用に回すことも可能ですし、本や教材の購入に充てることでスキルアップを図ることも可能です。それにより年収を上げることができれば、その後の人生で長きに亘りリターンを享受できます。

また時間割引率を考慮すれば、若いうちの100万円は老後の100万円の何倍もの価値があります。その100万円を奨学金返済に優先的に使用するのではなく、自己投資(娯楽も含め)に充てることがより有効な活用方法と言えるかと思います。

まとめ

もし手元に100万円の余裕資金がある場合に、有利子奨学金の繰り上げ返済に充てるべきかという質問に対する私の考えは以下の通りです。

繰り上げ返済はする必要なし。その理由は100万円を繰り上げ返済したところで金利削減効果は微々たるものだから。その100万円は資産運用や自己投資に回したがより大きな効果が得られる。

私自身も大学時代に借りた奨学金を返済中ですが、毎月の定期返済以外に繰り上げ返済は行っていません。返そうと思えば一括で返済することも可能ですが、その資金は資産運用と自己投資に回しています。なぜならそれによるリターンが繰り上げ返済の金利削減効果を遥かに上回ると判断しているからです。

それではまた!

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