国民年金を勘違いしていませんか?

節約ライフ
Aさん
Aさん

国民年金は破綻するかもしれないとよく聞きます。

将来自分がもらえるか分からないので、私は払いたくないです。

こんなことを言う人、皆さんの周りにいませんか?

そもそも大前提から間違っていますし、日本の国民年金を正しく理解できれば、実は非常に優れた制度なんです。

今回は国民年金制度とその特徴について、述べていきたいと思います。

国民年金は長生き保険

国民年金はもちろん年金ではあるのですが、ひと言でその特徴を表すとすれば、「保険」です。

国民年金には主に以下3つの保険的性質があります。

  1. 老齢年金
  2. 障害年金
  3. 遺族年金

老齢年金

最もイメージの湧きやすい部分ですね。一定年齢に達したら死亡するまで年金を受給できるしくみです。

障害年金

万一重度の障害を負ってしまった際に、死亡するまで年金を受給できるしくみです。

遺族年金

万一夫や妻が子を残して死亡した場合に、子が一定年齢に達するまで年金を受給できるしくみ。従来は母子家庭のみが対象でしたが、10年ほど前にようやく父子家庭も支給対象となりました。

障害・遺族年金は、万一の事態が発生した場合に、資金的な支えとなる安心な制度です。

老齢年金の役割

老齢年金については、死亡するまで受給できる、という点が非常に魅力的な制度です。

人間はいつ死ぬか分かりません。明日死ぬかもしれないし、120歳まで生き延びるかもしれません。

しかしながら人生設計をお金の面から考えた際に最も恐いのは、実は後者です。

つまり「長生き」こそ最大のリスクなのです。

80歳くらいで死ぬかな~なんて考えてお金を使い果たしてしまい、結果まだまだ死ななかったとしても、その年でまもとに働いてお金を稼ぐことは、現実的ではありません。

逆にいつ死ぬか分からない中で年金が無ければ、恐くて貯金を取り崩すことができず、消費に全くまわらないという状況が発生してしまいます。

それを支える安心な制度が老齢年金であり、最低限の金額ではあるものの死亡するまで永遠に受給が可能です。

民間でもトンチン年金(終身年金の一種)がありますが、それに加入せずとも国民年金で十分だと思います。

実はおトクな国民年金

損得面から見た国民年金のおトクさ

損得面で考えた場合、国民年金は十分おトクな制度と言えます。

会社員ではない第1号被保険者(個人事業主や一定所得以下のフリーターなど)は、月額1万6千数百円を支払わなくてはならず、大きな負担だと感じている人も多いと思います。
納付をした月数に応じて将来の年金受給額が決まるため、未納付の人は当然ながら受給できません。

ただ実は国民年金の財源の半分は税金が投入されており、第1号被保険者の負担は本来の半分で済んでいるのです(もちろん税金という形で間接的に払ってはいるわけですが)。

そして国民年金を納付した場合、その金額は社会保険料控除として、課税所得を計算する際に控除することが可能です。
国民年金保険料の納付額は年間で約20万円に及ぶわけですが、その全額を控除できるため、年収300万円であれば280万円が課税所得となるわけです(単純化するために他の控除を無視しています)。
その控除後の課税所得に対して、所得税・住民税が課せられるわけですから、所得水準により数十%所得税・住民税負担が軽減されることになります。

ふるさと納税や医療費控除を検討する前に、控除できる国民年金がある場合は最優先で確認をすべきです。

受給時に更におトクにもらう方法

また受給面においても、繰り下げ受給を適用すれば、月額最大42%増しの金額を受給することができます。
長生きをする自信がある人は、チャレンジしてみると良いですね。

通常の受給と比べた損得ラインは、70歳まで繰り下げた場合で82歳と言われています。
特に女性の場合は寿命が男性に比べて5~6歳程度長いため、それなりの確率でこの損得ラインを上回って長生きすると予想されます。

死亡するまで一生増額された金額が受給できるわけですから、長生きリスクという観点でも非常に有効かと思います。

年金制度は破綻しない

日本の年金制度は賦課方式と呼ばれ、現役世代が納める年金保険料によって高齢者への支給が賄われるしくみです。

つまり、現役世代から高齢世代に仕送りをしているイメージです。
そして現在の現役世代が高齢者になった時、将来の現役世代がその人たちに仕送りをするわけです。

そのため、少子高齢化が急速に進む中で、保険料を納める現役世代が減少し、逆に年金を支給される高齢者が増加しています。

これを受けて、「日本の年金制度は本当に大丈夫か!?破綻するのでは!?」なんていうことが頻繁に叫ばれます。

ただ実際年金財政はどうなのかというと、実は赤字どころか大幅な黒字で、毎年資産がどんどん積み上がっています。

日本の年金財政は大きく2つに分けられます。

毎年国民から徴収する保険料と支払う年金の収支

1つ目については、厚生年金・国民年金合わせて、おおよそ年50兆円の収入に対し支出は同じく年50兆円で、大体収支はトントンです。

一部は2つ目の運用資産により補填されていますが、大部分はその年に収められた保険料により、支払われる年金を賄うことができています。

余剰資金の資産運用の収支

2つ目の余剰運用資産は、現在180兆円超もの金額があります。

これは昔賦課方式に切り替わった際に発生した余剰資産がこれまで運用され続けてきたもので、着実に増え続けています。

この運用資産はGPIFと呼ばれる組織により運用されており、長期的に「賃金上昇率+1.7%」という運用利回りの目標が掲げられています。
仮に賃金上昇率が0%の場合、目標運用利回りは1.7%で、180兆円×1.7%=3.06兆円のリターンを見込んでいるというわけです。

ただ実際にはそれ以上の運用成績があげられており、そのごく一部のみが各年度の年金支払いに充てられている状況のため、残る運用資産が年々増え続けています。

GPIFのホームページより引用

今後も運用資産の規模が大きくなるほどリターンの金額は膨らんでいき、複利効果で当面資産が順調に増え続けていくものと予想されます。

この事実は世間的にあまり認知されておらず、それを知らずして年金財政について語るのはあまりに不適当と思われます。

まとめ

年金の特徴や財政状況について見てきました。

ネガティブな印象が持たれがちな年金ですが、実は国家が提供する優れた保険制度であり、非常におトクな制度なのです。

財政状況も良好で、資産は順調に積み上がっています。

年金制度を批判するのは個々人の自由ですが、正しく理解をした上で全うな批判をすべきですし、一個人の立場からは制度をしっかりと把握して有効活用することにエネルギーを注いだ方がより良い気がします。

それではまた。

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